
(タイでのピッチプログラムにて)
Vitalify Asiaはマーケティング・営業体制の見直しを進める中、展示会の費用対効果や、新たな顧客候補との接点をどの程度創出できるかを検証するため、国際市場開拓プログラムに参加。SPORTEC Thailand 2026で出展企業・団体や来場者との対話を重ねる中で見えてきたのは、自社の開発力を紹介するだけでなく、現地のニーズや事業構造を踏まえ、「誰に、どのような価値を提供するのか」を具体的なプロダクトとして示すことの重要性だった。本プログラムへの参加背景や現地で得られた成果、今後の展望について、Vitalify Asiaの桃田稔也さんにインタビューを行った。
国際市場開拓プログラム参加の背景 ― 展示会参加における費用対効果
―国際市場開拓プログラムに参加した背景を教えてください。
私は2026年1月にVitalify Asiaへ入社し、現在は主に自社の営業とマーケティングの見直しを進めています。近年は展示会への出展や、来場者としてのネットワークづくりをほとんど行っていませんでした。
今回プログラムをご紹介いただき、自社で過去にSport Tech関連のプロジェクト実績もあった為、この展示会を営業やマーケティングに活用できるかを検証する機会にしたいと考えました。
―参加前から、具体的な成果目標はあったのでしょうか。
顧客候補となるリードをどれだけ得られるか、費用対効果が見合うのかを確認することが目的でした。
―会場では、どのような企業を探していましたか。
中心はIT企業です。ソフトウェア開発のリソースが不足している企業が、主な対象になると考えていました。ただし、展示会に出展した経験はなかったため、IT企業だけに絞るのではなく、幅広く話を聞き、どのような反応が得られるかも確認しました。
SPORTEC Thailand 2026への参加 ― 展示会での動き方

―SPORTEC Thailand 2026への参加を経てどのような成果がありましたか。
展示会への参加は会社として取り組むべき活動の一つだと感じました。参加後に社内へフィードバックした結果、今後も展示会へは参加していこうという話になりました。参加するだけでは意味がありませんが、目的を持って動けば、営業や事業開発の材料は得られると感じました。
―SPORTEC Thailand 2026に出展している企業や団体にどのような印象を抱きましたか。
国によって出展している企業や団体に違いを感じました。タイでハイテク機器を扱っているように見える企業へ話を聞くと、実際には現地の代理店で、製品は中国、韓国、台湾から仕入れている例がありました。一方、台湾企業はITのレベルが高く、一段抜けているように感じました。

―具体的に、何が印象に残ったのでしょうか。
スポーツリーグを一つのシステムで管理する台湾企業の事例です。審判の判定、得点、プレー時刻などを集約し、そのデータをテレビやSNSなどへ反映する仕組みでした。もちろん、個々の機能だけを見れば「できれば便利だ」と考える人はいるでしょう。私が驚いたのは、テレビ局、システム会社、マーケティング会社など、それぞれ異なる考えを持つ関係者をまとめ、全体の効率化を実現していたことです。

―スポーツやウェルネス領域で、事業機会は感じましたか。
機会は感じました。消費者向けに小さく提供するのであれば、既存の形でもできるかもしれません。しかし、BtoBとして継続的な事業にするには、もっと大きな枠組みが必要です。台湾企業のようにプロリーグやテレビ局と協力したり、行政の支援制度を事業の仕組みに組み込んだりする発想が必要だと感じました。
―自社のサービスを他出展企業・団体、来場者にアピールする際に感じた課題はありますか。
当初は、自社の開発リソースをどう訴求するかに意識が向いていました。
ただ、海外で継続的に売るには、リソースだけでなく、現地の事業構造を理解し、入口となるプロダクトを持つことが重要だと感じています。
海外では、自社の強みを説明しても反応が薄いことがあります。その多くは、日本と現地で前提条件が異なるためです。
こうした違いは、日本にいるだけでは理解しにくい部分があります。実際に現地で人と話し、「何が伝わらないか」「何に関心を持たれるか」を知ることで、自社サービスの訴求や現地理解を深められると考えています。
SPORTEC Thailand 2026参加後の動き ― 関係性の続け方
―展示会で築いた関係をどのように活用していきますか。
私たちのサービスは、話をした直後に需要が生まれるものではありません。そのため、関係を維持し、必要になったときに思い出してもらえる状態を作る。まず関係を築けただけでも価値があると思っています。
会場では、ウェルネス領域でソフトウェアを事業として成立させている日本企業とも接点がありました。すぐに商談へ進まなくても、関係を切らないことが次につながると考えています。
―今後の展望を教えてください。
Sport Techの分野では、まず業界動向や行政の取り組みを理解し、スポーツチームやリーグとの接点をつくることが重要だと考えています。自社だけでゼロから事業化するのは難しいと感じています。
弊社はベトナムに拠点があり、商工会など既存のネットワークがあります。これまでは十分に活用できていませんでしたが、複数の企業・団体をつないで事業をつくるという視点で、改めて可能性を感じています。
現地のスポーツ事情に詳しい企業と連携し、弊社の開発力を組み合わせることで、単独では難しい取り組みにつなげられる可能性があります。日本企業同士で強みや役割を持ち寄ることにも期待しています。
◇桃田稔也
所属・役職:Vitalify Asia・営業部 ゼネラルマネージャー
経歴:前職ではIT分野のプロダクトマネージャー/プロダクトオーナーを経験。2026年にVitalify Asiaへ入社し、営業部ゼネラルマネージャーに就任。日系企業向けのソフトウェア開発の営業・マーケティングの統括と、海外向けソフトウェア販売に取り組んでいる。
【関連情報】
JSPIN公式LinkedIn「SPORTEC Thailand 2026」活動報告(Day1、Day2、Day3)
