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ユニクロ:スウェーデン代表チームとの提携により、現地での知名度向上や新製品の開発を実現

2023.01.23

ユニクロのウェアを着用するスウェーデンオリンピック・パラリンピック代表チーム

ユニクロは、あらゆる人の生活を、より豊かにするための「究極の普段着」である「LifeWear」というコンセプトが評価され、スウェーデンオリンピック・パラリンピック委員会(SOC・SPC)とのパートナーシップが実現した。

パートナーシップの中でユニクロは、選手たちの声を丁寧に反映しながらウェア開発に取り組む一方、スウェーデンの子供たちがスポーツと触れられるイベントを各地で開催することで、スポーツによる地域貢献を行ってきた。これらの取り組みは現地でのユニクロの知名度向上を実現し、さらに、代表チームの公式ウェア開発を通じて次世代のLifeWear開発に繋がるヒントや知見を得られるという意義も持っている。

展開コンテンツ代表チームがオリンピック・パラリンピック関連の試合、練習、イベント等で着用するウェア全般の提供
展開先スウェーデン

LifeWearのコンセプトとSOCの思いが共鳴

ユニクロとSOC・SPCのパートナーシップが始まったのは2019年1月であり、SOCのCEOピーター・レイネボ氏がスウェーデン国内のユニクロ第一号店であるクングストラッドゴーダン店を訪れ、パートナーシップの締結を打診したことがきっかけであった。

クングストラッドゴーダン店の開店は2018年8月であったため、非常に短期間で事が進んだといえる。この背景としてSOC・SPCがオフィシャルパートナーを探す際に、クオリティ、イノベーション、サステナビリティという3つの観点を重視しており、それらの観点はまさにユニクロがLifeWearというコンセプトで大事にしているものと同様であったということがある。

一方で、ユニクロにとってもSOC・SPCとの提携はスウェーデンにおける知名度を向上させることができると同時に、サステナビリティやライフスタイルにおいて先進的な北欧から学びを得るチャンスでもあることが、提案の受け入れに繋がった。

選手との対話が新たなパートナーシップにつながる

SOC・SPCとのパートナーシップの締結により、ユニクロは、開閉会式などの式典をはじめ、練習や試合、その他オリンピック関連のイベントで着用されるウェア全般を提供することとなった。式典や選手村での生活など、競技以外の場面でも選手が快適に過ごせることが大事であったため、トータルでの商品提供が可能なユニクロの強みを生かすことができた。

ただし、オリンピック・パラリンピックの公式ウェアを外国に提供することは初めてであったため、手探りで進めなければならない部分も多かった。そこでユニクロは、選手、コーチ、スタッフの要望に真摯に耳を傾け、対話し、情報を集めることを重要視した。

具体的なプロジェクト体制としては、日本の開発チームがスウェーデンの選手、関係者たちと密にコミュニケーションを進めながら製品開発を行う一方で、現地ではユニクロのスウェーデンチームとも連携した。こうした取り組みが評価され、ユニクロは2021年9月には、SOC・SPCとのパートナーシップ延長、同年10月には、スウェーデンスキー連盟とのオフィシャルサプライヤー契約締結も実現した。

アスリートを巻き込み、子供達にスポーツイベントを開催

アスリートへのウェア提供以外でも、ユニクロは社会貢献を非常に重視しており、服とスポーツのチカラを世界中の人々に届ける活動をSOC・SPCとともに推進してきた。その代表的な取り組みが2020年7月にスタートしたユニクロドリームプロジェクトであった。

このプロジェクトでユニクロは「Together for the Future」というビジョンの下、トップアスリートを招致したスポーツイベントをスウェーデン各地で開催し、これまで約35,600人の子供達と約400の学校がイベントに参加した。

アスリートとの交流を通して、子供達が一人ひとりに合ったスポーツを見つけ、アクティブで健康的なライフスタイルに出会える場をユニクロは提供してきた。こうした取り組みもSOC・SPCからの評価及びスウェーデンにおけるユニクロの認知度向上に大きくつながった。

ユニクロドリームプロジェクトの様子

トップアスリートのウェア開発が次世代のLifeWearに繋がる

ユニクロが、トップアスリートの競技ウェアの開発に取り組む意義としては、トップアスリートがベストパフォーマンスを発揮できるウェアを作ることが、次世代のLifeWear開発に繋がる点が挙げられる。トップアスリートが求める「良いパフォーマンスが発揮できるウェア」の開発プロセスの中で、LifeWearとしても活かすことができる様々なアイデア・技術が生まれてきている。

その一例が「感動パンツ」という商品である。ユニクロのグローバルブランドアンバサダー、オーストラリア出身のプロゴルファーであるアダム・スコット選手に提供するウェアを開発する中で、ストレッチ機能の重要性がわかり、普段向けウェアへの技術転用が起こり、人気商品の開発につながった。ユニクロは、こうしたシナジーを大事にしつつ、今後もLifeWearとトップアスリートの競技ウェアの開発に取り組んでいくという。

LifeWearにコアを置きつつ、トップアスリートのウェアを開発することで、社会変化に応える

◇担当者コメント

スポーツ人口が増加するとともに、スポーツの要素は既に人々の日常生活の中に入りこんでおり、両者は切っても切れない関係性になりつつあります。そうした中で、スポーツユーティリティウェアという日常でも、運動の際でも着ることができる商品の需要は高まっています。ユニクロはLifeWearのコンセプトをコアに置きつつ、トップアスリートのウェアの開発で得られた知見も活かすことで、そうした需要に応えられるように更に注力していきます。

株式会社ファーストリテイリング

コーポレート広報部 ソーシャルコミュニケーションチームリーダー 小笠原 一郎氏


#スウェーデン #オリンピック #パラリンピック #スポーツウエア #パートナーシップ #地域貢献

※所属・肩書等は2022年12月の取材当時のものとなります

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