世界的に成長が続くフィットネス事業において、シンガポール、台湾、中国等でトレーニングジムの店舗を展開。「トレーニング」「食事指導」「寄り添い」の3本柱に配慮したサービス提供により、健康生活や福祉面で貢献している。
ローカル採用のスタッフを通じてコミュニケーションをとり、現地の人々のバックグラウンドに合わせてサービスをカスタマイズし、 RIZAPの3本柱、「トレーニング」「食事指導」「寄り添い」に配慮してサービス提供を実施。現地パートナー企業と連携し、現地で人気の媒体やアプリケーションでの露出を高め、RIZAPのプレゼンスを向上。また、RIZAPの強みであるボディメイクを通じて地域、国が抱える課題に寄り添うことを目的の一つとして取組を実施している。
展開コンテンツ | トレーニングジム店舗(スポーツ施設の運営) |
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展開国 | 中国、台湾、シンガポール、アメリカ |
ボディメイクを通じて国が抱える課題に寄り添う
RIZAPグループは、RIZAPを軸に海外進出を加速させており、市場獲得とともに、強みであるボディメイクを通じて地域、国が抱える課題に寄り添うことを目的に取り組んでいる。
これまでに2012年11月の上海を皮切りに、台北、香港、シンガポール、北米等へ出店。例えば、シンガポールでは国の課題として糖尿病の撲滅が挙げられているが、RIZAPは日本でもシニア向けにヘルスケア、医療と連携した取組があるため、蓄積されたノウハウで課題に寄り添うサービスを提供することを目指している。
現地スタッフと連携 ニーズに適したサービスを提供
海外店舗出店検討時は、特に初期はSNSやオンライン広告、PRでの反響調査結果も踏まえて検討を進めている。反響調査で反響が全くないエリアもあり、これらのエリアでは日本式のやり方が現地とマッチしなかった、利用者の意向に沿わなかった、メディア露出方法が合わなかった等が考えられ、日本と同じ形で事業を進めてもうまくいかないことがある。
また、店舗の海外展開において、国や地域の抱えている課題に寄り添う形でサービスを提供している。例えばシンガポールでいうと、国の課題として糖尿病の撲滅が挙げられているが、RIZAPは国内でもシニア向けにヘルスケア、医療と連携した取組を実施していることも有り、そのノウハウで課題に寄り添うサービスを提供することを目指している。
現地での顧客獲得に向けては国民性の違いも障壁の一つであった。日本では部活動、甲子園、インターハイの文化からくるスポ根要素があるが、例えばシンガポールでは、高額料金を支払ってまで、担当トレーナーとゲストが一緒に汗をかいて同じ目標に突き進む文化が無かった。
そのため、現地での提供サービス検討においては、ローカル採用のスタッフを通じてコミュニケーションをとり、顧客のバックグラウンドに丁寧に合わせて向き合ってきた。その他、宗教面での違いもある点は留意が必要で、例えば日本でのPRのように「Before/After」を見せる形が受け入れられない、というケースもある。
なお、現地顧客を獲得できた要因として、現地のパートナーと組んで、人気の媒体やアプリケーションでの露出を高め、認知を広めていくことで適切かつ効果的な顧客アプローチが実現できたことが挙げられる。
今後の海外事業拡大の方向性
競合となるフィットネスジム・パーソナルトレーニングジムが存在する海外においても最後までゲストに寄り添い結果にコミットするRIZAP方式は優位性があり、顧客獲得に繋がっている。
RIZAPグループでは食事、化粧品、アパレル事業も行っており、輸出入の規制や、現地のニーズの見極めといった課題はあるものの、これらの事業についても現地法人(病院、医者、テック系企業等)と連携を取りながら、今後海外で事業展開してくことも検討されている。
現地にあわせたサービスの提供が重要
◇担当者コメント
競合となるフィットネスジム・パーソナルトレーニングジムが存在する中でも、現地顧客を獲得できた要因は、顧客へのアプローチが適切であった点がポイントと考えられます。これまで現地採用のスタッフを通じてコミュニケーションをとり、現地の人々のバックグラウンドやニーズに合わせて、提供するサービスをカスタマイズし、顧客と向き合ってきました。
RIZAP Southeast Asia Pte Ltd Director 小林龍太氏
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※所属・肩書等は2020年9月の取材当時のものです
(参考)関連市場情報
アジアでは各国の経済発展が進む中で、所得の向上、ライフスタイルの変化とともに、生活習慣病が拡大している。例えば、シンガポールでは、10人に1人以上が糖尿病である。そのような中、政府支出に占める保健支出割合が増加するとともに、健康意識の高まりや健康増進活動が進んでいる。
2017年にJETROが実施した意識調査によると、シンガポールでは、健康増進のため、食事、生活習慣(睡眠サイクル等)、スポーツに取り組む人の割合が高いことが分かっている。また、健康増進に対する月々の支出可能額(平均15,816円)、支出額(平均14,525円)も域内では高くなっている。